ハロプロ楽曲大賞2019、私的部門賞はこんなだった

第18回ハロプロ楽曲大賞'19
ハロプロ楽曲大賞'19お疲れさまでした。楽曲部門への投票曲5曲の他にも評価したい曲はもっとあったので、それらに下記のような部門賞を贈ります。

ブライテストホープ:伊勢鈴蘭

復活Wを観にひなフェスに来たはずの掟ポルシェがその場で落ちて早速コレ写買ったというエピソード大好き。



まあ真面目な話、二十歳頃には女性誌で「伊勢鈴蘭になりたい!」特集が跋扈していることでしょう。

ベストアルバム:BEYOOOOOND1St

どれくらいはユーモアがないと息が詰まってしまうものか。どれくらいはスキルのデモンストレーションがないと人様に聴いてもらう意義がそもそもないか。72分の音楽ジャーニーの間、その価値基準がブレることは一瞬たりともない。デビューシングルの時点では単なる面白ギミックとしか思われていなかった寸劇だの科白だのこそが、アルバムに緩急と豊かなバリエーションを与えるキーファクターだったということが明らかになる仕組み。シングル曲しか聴いていなかった人こそ必聴。

次点は『輪廻転生』。「夢見た15年」のおさまりも驚くほどよく、LP盤でいうところのA面まではすわこれは傑作かと思ったのだが…。

ベストアレンジ:恋はアッチャアッチャ

この曲はシングル単品で聴くのと『輪廻転生』の中で聴くのとでは印象が異なる。ちょっとワルめなキック、絶妙なテンポ、のべつ幕なし挿入されるヴォイスサンプル、サビで歌メロをなぞるシンセ。そのどれもがアルバム前半の中ボス登場を演出する。

ベストインストゥルメンタル:Go Waist

サヤーズブートキャンプ突入前のフィルインでハードフロアばりにアガらされてからの脱力エレクトロ。くせになる。

ベストイントロ:もう一歩

船木結のスキャットカッコいいなー。

ベストコスチューム:三回目のデート神話

これ、ガンメタだからあれだけど、色がピンクとかだったら完全にアレですよね?

ベストコーラス:DREAM GIRL

中島卓偉の一人多重コーラス。一聴でクイーンと判る。

ベストコレオグラフ:恋はアッチャアッチャ

サビで頭と両手首をクイクイ左に倒す動きがキャッチー。振付の時点で手応えがあったからこそ、TikTokでのダンス動画投稿募集キャンペーンもやり、リリースイベントでのダンスレクチャーパート動画撮影許可という試みも行ったんだろう。でもそんなにはバズらなかった…。

アンジュルム「恋はアッチャアッチャ」スペシャルサイト
次点は「全然起き上がれないSUNDAY」。

ベストコンポーザー:原一博

「Escape」、それなりの音量で聴くと途端にスリリングなコード進行が耳について中毒。それこそ、鈴木愛理の好きなBoAの「VALENTI」のような。流石の手練れなのだが、逆説的にいうと、TVの歌番組で小さい音量で流し聞きされるだけでは真価を発揮できない曲を、ソロ第一弾シングルに選ぶというのはどうなのだろう?とも思ったり。



ベストジャケット:眼鏡の男の子 - 通常盤A

今年はジャケは全体的に不作だった。そんななかではこれが断トツ。

ベストシングル:三回目のデート神話 / ふわり、恋時計

初期つばきファクトリーの完成形。架空の主人公をシリアスに演じ切るという方向性はいったん突き詰めた。次の冒険の地図を開くべき時だ。

ベストセルフカバー:彼と一緒にお店がしたい!(Michishige Ver.)

歌い込みっぷりがスゴすぎて笑ってしまう。ヴォーカリストとしての道重さゆみに余裕綽々という言葉が似合う日が来るとは。

ベストセルフリメイク:My Days for You

こりゃブー・ラドリーズ「ウェイク・アップ・ブー!」への日本からの回答だな。マジでマジで。

ベストソロヴォーカル:Oh No 懊悩 - 広瀬彩海

“ぜんぜん大丈夫じゃないくせ”で聞かせた〈張らない〉声が新境地。張った声の告知トークより、冷めたツッコミのほうが似合ってるとラジオを聞いて個人的に前から思ってたのが、歌でも実証されたように感じた。

ベストタイトル:人生Blues / 青春Night

字面がシンメトリーなんですよ(一目瞭然)。最初から揃えて曲名をつけたんじゃなくて、選曲中に途中で気づいて英語先頭の大文字小文字を合わせたりしたんだと思う。たぶん。

ベストダンス:眼鏡の男の子(Panic Train Ver.) - 清野桃々姫

天才LOVESEXY。色っぽすぎて直視できない。



ベストビート:GIRL ZONE

『FLASH PAPA』の頃の電気グルーヴを思い起こさせるポルタメントシンセベース。甘いサビとのコントラストも込みで愛おしい。

ベストプレイ:My Days for You - 中島卓偉

中島卓偉がこんなにベースが上手いとは知らなかった。『GIRLS LOOK AHEAD』からは他に「スタート」のベースもよかった。

ベストフレーズ:Go Waist - “おつかれしゃーした”

曲ラストの挨拶はしっかり“お疲れさまでしたー”なのになんでサヤー隊長だけ“おつかれしゃーした”やねん。くせになる。

ベストプログラミング:「ひとりで生きられそう」ってそれってねえ、褒めているの? - 鈴木俊介

ほんにこの御方のマシンドラムプログラミングは絶品でおわします…特にスネア連打フィルは最高でおじゃります…

ベストプロデュース:One Summer Night~真夏の決心~



渋谷系(「待てないアフターファイブ」)から'90年代渡辺美里にモチーフを移すその離れ技にモニター真っ暗頭クラクラ。これが作曲:岡村靖幸でないだなんて、信じられます?奥さん。

ベストマスタリング:輪廻転生 - 柴晃浩

落ち着きあるブリティッシュテイストでサウンドを統一。煉瓦感と申しましょうか。

ベストミックス:三回目のデート神話 - 新津智之

つばきファクトリー『三回目のデート神話/ふわり、恋時計』 | 株式会社ポップホリック(POPHOLIC) - 音楽制作/アーティスト・クリエイターマネージメント
新津氏といえば「糸島Distance」の快楽の湯に浸かるようなミックスワークが印象的だったが、今回はロックのお手本のような仕事。ロックはベースとドラムがタイトに鳴ってりゃ後は何乗っけてもええんや!

ベストメロディ:遠いところへ行くのでしょう



ベッツィ&クリスかと思ったけど、歌詞だけじゃなくメロディにも毒があるところが非凡。

ベストユニゾンヴォーカル:帰りたくないな。

まじでこの世の全てのアンジュルム好きに教えてあげたいんだがこの歌には全ての人間を虜にする禁断のユニゾンがある。これがアンジュルム史上最高レベルで超絶揃ってるから関係者に伝われ。

ベストリリシスト:星部ショウ

「ドカンとBREAK!」のロマンティックな詞もなかなかだったし、「Yes! We are family」がこぶしver.もFC町田ゼルビアver.も両方よかったのは想定外だった。「赤いイヤホン」は「サンバ!こぶしジャネイロ」からの技巧路線の一つの極みではないか。

ベストリリック:OK! 生きまくっちゃえ

自分が道重さゆみから受け取ったものに、インスパイアやオマージュ、コラボレーションなどを通じて長い時間向き合ってきたからこそこのタイミングで生み落とせたのだろう高密度な歌。道重さゆみとは何なのかを無駄のない言葉で記述することに成功している。白眉は“違う世界なんてない 息をすれば生きている”。“確かめ合うとかじゃなくて”も痛快。

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