鞘師里保卒業に寄せて


ハロプロを事業部門と捉えた時に、モーニング娘。というBUは、メンバーの定期卒業と加入をビジネス戦略の根幹も根幹においている。それがなければ事業の健全性は望めず、いやさ存続性すら担保できないというほどにそれは中心である。

だから次の卒業者は早晩発表されるはずだと踏んでいた。単純に、18年間の歴史において卒業者がいなかった年がこれまでたった一回しかなかったのだから、確率的に、2015年だって、卒業者を輩出するのはさすがにもう時間切れだとしても、せめて卒業発表ぐらいはあるに違いないと考えるほうが当然だろう、と予測していた。それを受けての鞘師里保卒業の報だったので、個人的には、総体としてあまり衝撃でない。

予想外の点

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だが何よりも驚きだったのは、卒業発表から卒業まで二ヶ月間しかもたせないということだ。たとえ誰の卒業であろうと、それが卒業商法というビジネスチャンスに確度高く転換できるものである以上、営利企業としては、その商機を最大化しなければならない。これはビジネスの務めだ。だのに、その卒業商法期間がたった二ヶ月しかないだと?!さゆやベリやまろは約半年あったぞ。何故こんなに短いんだ?鞘師の集金力では半年もの間セール期間のテンションを保たせることはできないとジャッジされたのか!?まさか!人気一位メンだぞ。または、本人からの強い意思に基づく申し出なので、急だが承諾せざるを得なかったのか?
カウコンをラストライヴと明言し、卒コンを催さないというのは、卒コンでは自分を大々的にフィーチャーしてほしいと(百花繚乱武道館は、同名ホールツアーの千秋楽という側面も実際あるのに!)堂々と言い切るまろと実に対照的ではある。

2

次の卒業者はだーいしだと確信していたので、そうでなく鞘師だったという事実。何故だーいしだと思っていたかというと、それは、卒業して少なからずソロタレントとして食っていけそうなのがだーいししか見当たらないから、という消極的な理由による。モーニング娘。メンバー、もしくはハロプロアイドルとしての合格点を超えて、芸能人としてやっていけそうな気配を感じるのはだーいしだけである。せめて芸能人としての独り立ちの芽ぐらいは見えてからでないと、UFグループは肩たたきなどしないはず。だからだーいしだ、と思っていたのである。鞘師も長居しそうなタイプには感じられなかったが、だからといって次の卒業者になるとは思いもしなかった。20歳か、そのちょっと前ぐらいまではいるものと思っていた。

心配な点

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カウコンのLVに行くつもりだったので、これがきっと行けなくなるんだろうな、ということ。チケットの大争奪戦になって。まあ、LVが実施されるとはまだ決まっていないわけだけど。

2

これに言及している人があまり見当たらないことが以前から不思議だったのだけど、鞘師の声というのは、EDMソングに素晴らしくよくハマっていた。ヴォーカリストの鞘師といえば、喉を絞める歌い方が聴いていて不快だ、と批判されたり、大舞台で緊張のあまり音程を外しては非難されたり、か、そうでなければ、「キマグレ絶望アリガトウ」あたりを引き合いに出して、彼女には案外こういうビートレスな歌のほうが合っている、と褒められるかのどちらかに陥りがち。EDMソングにドンピシャだったことを思い起こさせる意見というのはついぞ見たことがない。だから恐らく、鞘師卒後のライヴでEDMヒットシングルを歌った時、物足りなさを訴える声が徐々に出てくるだろう。そしてその時、鞘師の声がいかにこのサウンドにいい意味で溶け込んでいたか、多くの人が気づくだろう。発病前のつんく♂が、どれほど嬉々としながら鞘師の歌割を決めていたかに想像を巡らす人も出てくることだろう。

追記

有名ハロジャニ兼ヲタブロガーの小娘さんが似たようなこと(?)を主張している。流石のお耳をおもちだ。この人はどうも、学生時代に音楽をやっていた経験があるようで(?)、そこが他のハロヲタジャニヲタとちょっと違うところなのかなと思っている。

3

メンバーカラー赤が空くことになるが、そこを仕切り直すために、13期加入後に全体シャッフルされるかもしれない。赤の行方はどうでもいいのだが、赤担当の欠員が契機になって13期オーデ開催が変に急がれたり、といったことにならないよう祈りたい。鞘師一人がいなくなったからといって、娘。は相変わらず12人いて、多すぎという状況は変わってないんだぞということを、個人的には訴えたい。

全然不安視していない点

1

以前から、鞘師は大人になったら自由人になるんだろうなあ、と予想していた。定職らしい定職をもたず、ファッションデザインをしてみたり、請われてナレーションをやってみたり、デザフェスに個人で出品してみたり、知人の演劇に日替わりゲスト出演してみたり、突然FMキー局でパーソナリティを始めたり、ヨガ教室を開いてみたり、かと思えばいつまでもUFグループと切れておらずCDSに出てみたり、売り込んでもないのに広島ローカルで密着番組を作ってもらえたり、信田美帆が太シスを知らない世代のハロメンから今「信田先生」と呼ばれているのと同様に未来のハロメンから「鞘師先生」と呼ばれたり…といったような。坂本美雨みたいなイメージといえばちょっと分かりやすいだろうか。何故そんなように思うのかといわれても、インスピレーションなので、こればっかりはどうしようもない(さんま師匠風)。
そんな印象を鞘師にもっていたところ、今回の卒業発表では、今後は海外留学したいといっている。いいことじゃないか。たまたまだけど、上述したインスピレーションの姿に一歩近づいたようにも思える。仮に彼女が帰国してすぐ結婚してしまったり(デリくんあたりと??)、もしかグリーンカードをとってNYCに永住してしまったなんてことになったとしても、誰も鞘師のことを責めなどしないよ。これは鞘師の人生なのだから、鞘師が、その時思ったこと、考えたこと、感じたことに従って、好きに選択すればいい。その結果誰かの期待を必ず裏切り、失望させることにはなるけど、それは免れ得ないからしょうがない。選択の前後で辻褄が合わなくなることもあるだろうけど、そんな些細なことは、人生において何の問題にもならない。鞘師はまだ17歳だから、健康に生きれれば、余命は70年くらいある。その70年で、そのことを学ぶんだ。アンジュルムが新曲で歌っているとおり「何が起こるかわからないそれが人生」だし、そうした真理に往生際悪く屈さずいつまでも他人に恨み言ばかり言い続ける連中にかかずらわる必要など金輪際ない、ということを。人間万事塞翁が馬だよ、鞘師!

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ワブルベースやチョップピアノといったEDMの特徴的なサウンドは、「TIKI BUN」の頃から既に姿を消し始めていたが、その次の《武器足りうる》サウンドコンセプトを掴めていない娘。、というかサウンドプロデューサーつんく♂。「Oh my wish!」のような『ヒロイック風味エレクトロニックロック』、「スカッとMy Heart」のような『ミドルテンポファンク』、「One and Only」のような『'80sマイケル・ジャクソン風ソリッドアメリカンポップ』は、つんく♂からすればどれも手癖で作れるもので、新機軸とはいえなさそう。「今すぐ飛び込む勇気」「夕暮れは雨上がり」のような、『繊細でメランコリックなメロディアスポップス』が強いていえばそれになるのだろうか?いずれにせよ、それらに鞘師の声がずいぶんハマっていない。酷薄にきこえるだろうが、だから、その路線においては、鞘師の声がなくなることは大したダメージではないだろう。

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個人的には、なんなら留学をなし崩しになかったことにしたってべつに全然構わないのだが、世の中には、公言したことは守れとうるさい人も多いので、その意味では、今やっている「ヤン土」は即降りたほうがいいだろう。出国の時期は3パターン考えられると思う(通っている高校に交換留学制度でもあるのならそれに合わせて、高校を中退する覚悟があるのならなるはや、高校を卒業してからなのなら2017年春)が、実際にいつになるかに関わらず、卒業と同時の降板が望ましい。
「ハロモバ」の「ハローラジオ」で始めたばかりの「さやしの部屋」は続ければいいと思う。もし今回の卒業が、さゆのような『実質引退をボカした言葉の綾』でないのなら、それなら留学先で続けたっていいだろう。ハロメンをゲストに呼ぶという番組企画構造は変えなければならないが。
逆に、ハロステダンス部は、出国までの間だけでも部長をやらせてくださいと自ら申し出るくらいじゃないとダメだろう。ちなみにダンス部部長の座は現在空席である。

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