ブライテストホープ:鈴木愛理
YASUSHI WATANABEのペンによる「私のそばで」一曲聴けば判る。ライヴではレコーディングと歌唱法をガラッと変えてきた。歌に馴染んでいくために必ずしも場数を必要としない、そのクレバーさ。歌手というのはフィジカル商売だけれども、だからこそ、頭脳のほうに十分なシミュレーション力・イメトレ力があれば、そのフィジカル資本を無駄に摩耗させずに済み、長もちさせやすい。鈴木愛理にはその頭があることを確信した。ベストアルバム:SAYUMINGLANDOLL~宿命~
エレクトロニックミュージックがフェスに奪い去られる前、主にベッドルームのものだった時代を懐かしく思い出させる。約43分という短さは、レッドブックの限界まで曲を詰め込む近年のハロプロアルバムへのアンチテーゼかと思ってしまう。ベストアレンジ:SEXY SEXY
四半世紀以上の時をBEYOND THE TIMEして現代様にアップデートされたTMN「RHYTHM RED BEAT BLACK」。一拍も置かずに打ち鳴らされるラストのチャイムの音が寂しさを極大化する。ベストアレンジャー:鈴木俊介
今年も俺達の俊介が「もう我慢できないわ~Love ice cream~」「春恋歌」「46億年LOVE」でマシンドラムの妙味を存分に魅せてくれた!やったぜ(まえここの)父ちゃん!ベストインストゥルメンタル:泣けないぜ…共感詐欺
アレンジャーとミキサーの間の意思疎通っぷりがすごい。定位してほしかったであろう位置に・掛けてほしかったであろうエフェクターを掛けた音色が・想定していたであろうとおりのレベルで鳴っていて、ヒラショー的にはきっと満足度高い仕事だったのでは。ベストイントロ:ありえない遊園地
「○って何?」(問いかけられ)「え?何?」(聞き返され)「ありえない」(嘲笑と遮断)が道重さゆみの声で飛び交う。イントロでデイズドアンドコンフューズドした後は、エレクトロのダンスビートでノンストップエロティックキャバレー。おっと遊園地でござった。ベストカバー:都会の一人暮らし
元Ver.とことごとく異なるソロパートの節回し。完コピならオリジナルの℃-uteを聴けばいいわけで、そうそう、こういう《つばきファクトリーならではの歌生理》が聴きたかったんだよ、と膝を打った。ベストコスチューム:これからだ!
浜浦彩乃にキャスケットをかぶせようと思いついたスタイリストに拍手喝采。かわいすぎ。▷▶こぶし再スタート!◀◁浜浦彩乃 | こぶしファクトリー オフィシャルブログ Powered by Ameba
ベストコライト:目立ってDo Dance
作詞家も込みで、4組によるコライト、みたいな。ベストコーラス:青春Say A-HA - 小田さくら
実際には歌割はだいぶ均等な曲だと思うんだけど、なにしろ彼女のコーラスが曲の印象を埋め尽くしていて、自分のなかではこれは小田さくらの曲。ベストコラボレーション:鈴木愛理×赤い公園
ファンサービスの重要性を常に念頭におきすぎなきらいのある鈴木愛理が、もし《音楽をバンドメンバーと一緒に奏でることの楽しさ》にかまけてファンを置いてけぼりにしてしまったとしたら、どうなるのだろう?というのは以前から興味の的だった。この曲のヴォーカルのミックスバランスの小ささは、それが現実になったらという夢想をチラッと垣間みせてくれるものだった、のだが…。布袋寅泰がソロデビュー直後にCOMPLEXを結成したように、鈴木愛理もソロデビュー直後に赤い公園に加入してしまってもよかったのに。ベストコレオグラフ:Are you Happy?
Bメロ「ここから出して」パートの不穏キャッチーっぷり。結果「HEY! HEY! NEO!」でフィーチャーされたんだから、コレオグラフの勝ちだわさ。ベストコンポーザー:前山田健一
放っとくとアレンジに起伏を呼びすぎる前山田メロディを、上手く中和する術をUFWディレクターズは手中にした!「チョット愚直に!猪突猛進」「KEEP ON 上昇志向!!」の頃は、一定のリズムを繰り返すのが前提となるジャンルの曲調を意図的に発注することで、《リズムのキメが多い》という前山田楽曲のパブリックイメージからなるべく遠ざかれるよう意識していたのだと思うのだが、今年はその枷から解き放たれた。「タデ食う虫もLike it!」は十分にキメの多いリズムでありながら、前山田臭をあまり感じさせない出来になっている。前山田メロディを乗りこなせるようになったディレクターズの勝利。次点でKOUGA。「雪のプラネタリウム」は自身の趣味性が強く出ていて、いいぞもっとやれだった。
ベストジャケット:明日テンキになあれ - 初回生産限定盤B
荒ぶる井上玲音!こぶしファクトリー版・BOOWY『BEAT EMOTION』といったらいいすぎか?こぶしファクトリー「これからだ!明日をテンキに」応援プロジェクト
ベストシングル:タデ食う虫もLike it! / 46億年LOVE
音楽的にはどちらもアッパーなダンスミュージックに分類されるものでありながら、ファンサービスに徹した「46億年LOVE」と、ファンを埒外に置いてやりたいことをやった / 言いたいことを言った「タデ食う虫もLike it!」、という鮮やかなコントラストを実現したこの両A面シングルは称賛されるべき。両A面 / トリプルA面だからといって各曲ごとにサウンド傾向を違えるだけが能じゃないのだよね。ベストセルフリメイク:モーニングコーヒー(20th Anniversary Ver.)
アメリカン産業ポップロックのお手本。この手のをやらせたらハロプロは隙なし、って定評どおり。ベストソロヴォーカル:マナーモード - 笠原桃奈
すりガラスがかった声の輪郭の甘さと、急ブレーキと急発進を繰り返す力んだ歌の奇跡的マリアージュ。ベストタイトル:A gonna
まあ、歌詞があまりに怒りに満ち満ちているので、それの照れ隠しなんだろうなとは思う。たぶん、モーニング娘。'18に歌わせるべき歌詞としてなどといったことは考えておらず、恐らく、ただひたすら、TNX株式会社代表取締役寺田光男氏の個人的な憤り。だから駄洒落に包まずにはいられなかった、といったところなんでしょう。そんなんでもええがなええがな。次点で「正しい青春ってなんだろう」。
ベストダンス:デートの日は二度くらいシャワーして出かけたい - 岸本ゆめの
何事にも全力であろうとする岸本ゆめのの性向が、この曲のダンスではいい方向に作用している。意外とつんく♂はこの曲を笑える歌として作ったんじゃないかと思っているので、そんな曲のダンスをこんな真剣に踊っている岸本ゆめのをどう思うか、聞いてみたい。ベストビート:Be Your Love
ジョージ・マイケル「Monkey」をちょっと思い起こさせるマッシヴなビートプログラミング。ウワモノはいい塩梅の浮遊感で、ビートとの対比がアーバン。と思ったらこの曲、ミキサーが渡辺省二郎氏なのね。どうりで流石の出来、どうりでアルバム中フェイヴァリットだと思ったわ。ベストプレイ:明日テンキになあれ
ドラムを一曲通しで叩いてるなんてことは今どきまさかないだろうとは思うけど、でも、1コーラス目のサビちょっと前あたりから熱を帯び始めてそのままエンディングまで上昇し続けるこのドラミング、とてもチャーミング。ベストフレーズ:憧れのStress-free - 「頂いて邪魔になる件」
ここ笑った。ちゃんまー風にいうと、クッソワロタ。ベストプロデュース:二十歳のモーニング娘。
メジャーデビュー曲とインディーズデビュー曲のセルフリメイクをオープニングとエンディングに配し、間に6曲の新曲をサンドイッチ。リメイクは両曲とも鈴木俊介にアレンジを任せ、逆に新曲はすべて、その他のアレンジャーに一人一曲ずつ託す。20周年にかこつけた曲は新旧のいろいろな作家陣に書かせ、一方でつんく♂には、歴史と概ね無関係な《今》の気分だけの曲を2曲書かせる。この妙に律儀でシンメトリック(?)な設えで、結果的に、約15年ぶりのオリコンCDアルバムチャート週間1位を獲れたんだから、プロデュースとしては万々歳ってなもんだろう。モーニング娘。は現在進行形の物語だーー愛と敬意が詰まった『二十歳のモーニング娘。』を分析 - Real Sound|リアルサウンド
ベストミックス:今夜だけ浮かれたかった
マイナー調全開の歌メロは一聴してキャッチーで、予想外のところに飛んでいったりしないという安心感がある。それはメロディ進行がステレオタイプだということと表裏一体ではあるのだけれど、今回はそれを強みとして前面に打ち出そうという制作チームのコンセンサスがあったのだろう。だからこの曲のミックスはやけにヴォーカルが大きくて、バックトラックが一様に控えめ。飛び道具的な音色や、オブリ、裏メロなどがなくても、この曲は歌メロを聴かせるだけで成立するんだ、という、その自信がミキシングにも浸透している。そこを賞賛したい。ベストメロディ:夏将軍
♪「みーだーれたよをひとーつに「い」でーきるー」この「い」で音程が上がるところ、初聴時は目を剥いた。なんちゅうフック。全編通じてとてもキャッチーで、近藤真彦の昔のヒット曲だよといわれても信じてしまいそう。ベストユニゾンヴォーカル:Never Never Surrender
桜井和寿に歌わせればハマるだろう実はとても前のめりなメロディ。それを敢えてユニゾンヴォーカルで統御するから、この曲は内に熱さを湛えることに成功している。ベストリリシスト:児玉雨子
「低温火傷」「Vivid Midnight」「今夜だけ浮かれたかった」…そりゃ近田春夫38年ぶりのソロアルバムで10曲中6曲の詞を任されますわ。インタビュー:泣けて笑えて、また泣けて、また笑えて――近田春夫×児玉雨子 - CDJournal CDJ PUSH