℃-ute 29thシングルは進撃ののろしなのか

世評ファーストインプレッション

℃-ute新曲MV『なぜ人は争うんだろう』公開! | カラフル×ハロプロ℃-ute新曲MV『なぜ人は争うんだろう』公開! | カラフル×ハロプロ

スゴいですね、絶賛の嵐。

斯くいう私も今回の新曲には目を見張りました。何というか、急に視界がパーッと開けたカンジ。単純に曲単体でいい曲だね、というのではない、この路線こそが正解だ!という感覚。メジャー感もあります。これは、℃-ute売れるかもしれへんでぇ~!

音楽ジャンル的には

「何故人は争うんだろう?」がゴスペル風味のポップR&B。上記リンク先ではMISIAみたいという書き込みがありますが、これは妥当な例え。
FM局のパワープレイとか取りたいです。休日の午前、FMから流れてきたらこれはハマる。

「Summer Wind」は沈痛ささえ感じさせる重厚なメランコリーポップス。メロディは来生たかおや崎谷健次郎、池田聡的。つまり80年代風味ということ。バブル期のシャンプーのTV CMあたりに超使われてそう。一年半弱ぶりのつんく♂曲ですが、異性と二人きりで行動するが、そこに恋心などはまだまったくなく、あるのは、今夏自分は魅力的に生を輝かせられるだろうか、という、まだ若さの只中にあると自覚している女性ならではの自分本位な関心事項のみである、という歌詞が素敵。

「人生はSTEP!」はエレクトロスウィングっていうんですか?サンプラー特有のペッタペタなホーンが味の、ジャジーでコンテンポラリーなポップス。ウッドベースなんか当てちゃいそうなところですが敢えてベースをTB-303風の音色で終始ウネウネウネウネ鳴らしてるのが面白い。

今回はどれも舞美の鼻にかかった声がとても効いてます。表現力は乏しいものの、声量が実は一番あるのでそういう使われ方が多かった舞美ですが、今回は新境地ではないかな。

あと、愛理をどセンターにもってきてますね。こんなにあからさまに愛理を推すのは久しぶりではないか。岡井ちゃんもメインヴォーカル / センターを何度も何度も経験し、今ならもう、ジェラシーに苛まれることもなくなったでしょうから、いいタイミング。実際問題愛理のほうがヴォーカルテクニックはやっぱり上なわけですから、こういうフェイクを多用するジャンルの曲では愛理に頼るのが最善と思われます(念のためいっておくと私は℃では岡井ちゃんが一番好き)。

今回の方向性を踏まえて、気が早いけど、30thシングルでやってほしい曲

ICEのBABY MAYBE。もうこれをそのまんまカヴァーさせてもらえばいいんじゃないか。



あとこういう生音系グルーヴィーハウス。



この曲はアイドル曲と考えるとまだメロディアスさが足りないんで、そこはキャッチーなコーラスなどが必要だけど、でも、基本はこういうワンコード系でいってほしいのです。ハローはハウスのイディオムを音色面などで使っても、結局コード進行がポップスなのでクラブ仕様ダンスミュージックにはならないんだけど、そこをブレイクスルーしてほしい。「大器晩成」みたいな、メロディが二種類しかない洋楽的メロ曲を人気曲に仕上げることもできて自信がついたはずなわけだし、「何故人は争うんだろう?」は激キャッチーなサビメロ一個のカタルシスで勝負してるような曲だし(だからラストでラララコーラスになる)、フェイクも多用してるし、そういう曲からバトンを受け継ぐ次のシングルとしては、こういう方向性じゃないかと思うんですよね。

29thシングルで℃が得た方向性とは何なのか


敢えて言葉で表すと、

クール。ここでいうクールとは、《エモさ全開》の逆で、感情が多少抑制されている感じ。前作の「ありがとう~無限のエール~」がまさに《エモさ全開》の代表例。《エモさ》を出すためには、音楽的には、「シンプルな和音を使う」「ただの繰り返しに陥らず、次から次へと和音が動いていく」という構造がベースに必要になるが、ということはつまり、クールさを出すためにはその逆が最低限必要となる。すなわち、「ちょっと複雑めな和音を使う」「少ない和音を繰り返すだけという傾向が強い」ということである(十分条件ではないことに注意)。

参考文献









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